旅譜師ひより

旅譜師《たびふじ》

譜は答えを残すためではない。
次の誰かが問いを描き足すためにある。

「譜文明《ふぶんめい》」と呼ばれる世界がある。

そこでは、文字よりも絵や記号、色、そして余白を組み合わせて描かれる「譜《ふ》」が、人と土地、記憶と歴史をつないできた。

主人公・ひよりは、旅譜師《たびふじ》組合の初級認定を受けたばかりの、まだ未熟な旅譜師《たびふじ》。世界を救う英雄ではなく、消えゆく土地や人々の記憶を、譜として残すために旅を続けている。

正しく残すこと。描かずに残すこと。ひよりは各地を歩きながら、その間で少しずつ揺れ、学び直していく。

本編

第一話
白紙の旅譜《たびふ》

十五歳の春に出会った老人の言葉を胸に、ひよりは初級認定旅譜師として村を旅立つ。

第二話
最初の宿印

村を出て最初の宿で、ひよりは譜壁と宿守まきから、短く書くことの怖さと責任を学ぶ。

短編

短編
消えかけた墓譜《はかふ》

街道から外れた小さな村で、ひよりは消えかけた一枚の墓譜と出会う。描くこと、描かないこと──旅の中で彼女が向き合う問い。